ある日、2丁目へ遊びに行って、泥酔して記憶をなくしました。
何軒目の店で楽しく騒いでいたことまでは覚えているのですが、その後は全く覚えていません。
気がつけば、薄暗いところで俺は誰かに掘られていました。
あぁ、ハッテン場だ……。
俺は見知らぬ人間に掘られながら、痛む頭を抱えました。
かび臭い布団の上で、俺は全裸でした。
そして、股を広げて尻の穴には……。
しばらくされるがまま耐えていたら、相手が果てたようでした。
ちゃんとコンドームをしていたので、安堵の溜め息を漏らします。
「ごめんね。寝てるところ襲っちゃって」
間近で見ると、超ブサメンでした。
適当に相槌を打っていると、そのブサメンは「じゃあね」と言って去っていきました。
しかし、ここはどこのハッテン場なのだろう。
俺はハッテン場には行かない方なので、全く見当がつきません。
辺りを探りますが、俺の服は見当たりませんでした。
全裸DAYなのか、全裸が基本の店なのでしょうか。
手首と足首を触りますが、ロッカーキーが見当たりません。
「どうしよう」
俺は、見知らぬハッテン場で、持ち物を紛失してしまったのかもしれません。
ともかく、カーテンで仕切られただけの小部屋を出ました。
迷路のような廊下。
どこが出入り口かわからず、しばらく迷いました。
ようやく、ロッカースペースへ。
受付へ行って事情を説明しました。
ちょっとオネエで無愛想な店員は、明らかに迷惑そうでした。
「ロッカーキーは番号札と交換しましたかぁ?」
ここにどうやって来たのかも覚えていないのに、わかるはずがありません。
「お客さん、ちゃんと管理してもらわないとぉ。盗難はうちでは一切責任は負いかねますからね」
冷たく言い放たれました。
「あと2時間で閉店ですから、待ってもらえます?」
仕方なく了承しました。
引き返して、自分のロッカーキーを探すことにしました。
もし、誰かに持ち物一切を盗まれていたらどうしよう……。
俺は、とてつもない不安に襲われました。
全裸の俺は、どうやって家に帰ればいいのでしょうか。
薄暗い廊下や個室、広間を探しましたがロッカーキーは見当たりませんでした。
男を物色しているように見えたようで何人かに誘われましたが、とても応える気力はありません。
どうやら、全裸DAYでもないようで、Tシャツに下着姿といった着衣の人が大半でした。
そんな中、全裸で必死に動き回る俺は、男探しに躍起になっている淫乱に映って当然でしょう。
閉店間際ということで人はまばらでしたが、半ば無理矢理に襲ってくる人もいました。
抵抗しますが、ついに押し倒されてしまいました。
「エロい身体してんじゃん」
乳首を舐められると、俺のペニスはすぐに反応しました。
こんな非常事態だというのに……。
結局、しゃぶられ、しゃぶらされ、掘られ、イかされ……。
一通りの行為を終えると、さっさと男は俺を離れていきました。
シャワーを浴びたかったのですが、とにかくロッカーキーを探すのが先決だと思い諦めました。
しかし、どれだけ探しても見つかりません。
絶望……。
閉店の時間を迎え、アナウンスがあると、残り少ない客が一斉に帰りました。
そして、明るい蛍光灯が点けられ、風景がガラリと変わりました。
「あぁ、お客さん。見つかんないんですかぁ」
無愛想な店員がやってきました。
「はい。すいませんが、もう少し探させてください」
俺は、頭を下げました。
「見つかんなくてもうちではどうしようもないんでね。服くらいなら貸しますけど」
屈辱を感じながら、俺は「すいません」と再び全裸で謝罪しました。
情けない……。
そして、30分ほど経った頃、
「お客さん、ありましたよぉ」
店員の声が聞こえました。
「たぶん、これでしょ。開けてみ」
礼を言って、ロッカーを開けると、俺の荷物が一式入っていました。
「ありがとうございます」
言いようのない安堵感で充たされ、今度は心から頭を下げました。
「ま、よかったじゃん。はい、シャワー浴びてきな」
店員は俺にタオルを渡してくれました。
「体、ザーメンまみれだよ」
そう言って、店員は笑いました。
「すいません。ありがとうございます」
シャワーを浴び終えて、着替えをしようとロッカーのある場所へ戻りました。
すると、店員が寄ってきて俺の腕をとりました。
「お詫びに、体貸しなよ」
好みでもない店員に、俺は掘られました。
一晩で何人もの男に掘られるなんて初めての経験です。
酔ってハッテン場へ行くのは危険です。
皆さんは気をつけてくださいね。